宇宙とビールと爆音と(世界選手権編-土曜日編)

こちら、2010年9月10日から13日の記事を発掘した物をベースに加筆修正した記事になります。
この年は日本で最後の開催(2016年現在)となったラリージャパンを見る為に計画した旅行の記録です。

そのつもりでご覧いただければなと思います。


9月11日。朝は6:45に起床し、軽く身支度を整えて、ホテルを出ます。
既に脚立とカメラを車に積み込み、同行の知人と合流し、私も持ってきた脚立とかカメラをトランクに乗せて、イザ出発。
宿の違う人を2人巡回しながら拾って、この日は合計4人で、観戦スポットその1となる、ニカラ林道へ。

札幌から南下して、苫小牧の近くの山のほう。
指定駐車場に到着すると、そこからはシャトルバスに乗って観戦スポットへの移動となるのですが、駐車場は思った程にはラリーラリーして無い感じ。
サーキットだと、いかにも、って感じの車が駐車場に止まってることが多いですけど、ラリーの場合、まー、ランサー、インプレッサは確かに多いものの、そんなに痛い感じもなく、そんなにヤンチャな感じもなく、割とノーマル風情を漂わせた車とか、普通の乗用車が多かったかな。
ひとつの理由は「わ」ナンバーが多かったと言うこと。
やはり北海道まで遊びに来てレンタカーで移動、と言う人が多いんでしょうね。
富士や鈴鹿はマイカーで来るって人が多そうですけど、北海道まで自車で来るってなかなか少ないのかも。

バスで移動すること10分か15分。いよいよ目的地のニカラ林道へ到着。
脚立とカメラを持って、砂防ダムの内側に作られた観戦エリアに向かいます。

コースは若干下り、観戦エリアの直前で、右に急角度でターンしていく感じでした。
私たちはその下ってくる正面から、少しだけ左寄り(車から見たら右側なので、ちょうど進行方向ですね)に移動して脚立を立てて陣取ります。

そうそう。スーパーGTが中止になってしまった関係で、山野哲也さんが来てました。でもってサイン貰いました(汗

サーキットだと、持ってるレンズの関係で、どうしても客席からの距離が遠くて、ストレートの流し撮り狙いが多くなってしまうのですが(ストレートが一番コースに近いから)、ここだと割りと近く。
さすがにそもそもアベレージスピードがサーキットと比べると出てないので、エスケープゾーンもそんなに広く取らなくていいわけです。
でもね。この「スピードが出てないから大丈夫」は嘘です。だってさー、車、あさっての方向向いてるんですよ?

まずはコースの安全を確認する車が走りぬける訳ですが、その速度もほぼレーシングスピードなので、結構凄いんですね。
砂埃と風向きで、何にも見えなくなる位置もあるぐらい。
コースを軽く下ってきた車は絶妙に向きを変えつつ急角度で旋回して走り去っていきました。

こういう場所で、こんな動きをする車を見たのは初めてでしたので、写真撮るの忘れました(笑

でもっていよいよ本番。世界選手権を戦うドライバー達の妙技を見せて貰う番です。
さっきの車でも凄かったわけですが、WRカーは更にと言うか圧倒的に上を行きます。

おかしいぞこの車、って感じの妙ちくりんな動きをします。

誤解を恐れずに言えば、まさしく曲芸です。彼らの運転、おかしい。うん。

[セバスチャン・ローブの妙技]

そう言えば生まれて初めてF1を見たときに、F1の異様な光景を見て面食らった事を思い出しました。

F1の場合、車の向きがおかしいとか言うよりは、その物理法則を無視したようなコーナリング速度に圧倒された記憶があるのですが(だってさ。ほんとに変なのよ。この速度でここを曲がったら、普通は外に飛んでいくよね、って思うような速度でべったり路面に貼り付いて走るんだもん)、今回も方向性こそ違うけど、そんな感じ。なんだこの車!?って。

F1がレールの上を走ってるみたいに見えたとしたら、WRカーの場合はまるで氷の上でも滑ってるんじゃねーの?! ぐらいの意味が分からない向きで車が進んでるの。
ちょっとこの感動を誰に伝えたらいいんでしょうか。

とりあえず、有名どころのドライバーさんたちの写真はガシガシ撮影しておきました。けど、まー腕が伴ってないので、程々です(汗
一応上手な方にアドバイス受けたりして、真似してトライしてみたものの、付け焼刃では割と簡単にボロが出ますです(汗

あと、ラリーでいいなと思ったのは、見に来ている客層が幅広いって事かしら。
凄く詳しそうなマニアさんもいれば、親子で緩く来てる感じの人もいて。
たまたま私らの近くにいた親子さん(といっても母親がもう結構いい年齢で、子供と思われる男性も私らとそんなに変わらない世代に見えた感じの人)とは、チョイチョイ観戦中にも会話を楽しんでました(ラリーカーってレースと違ってみんな一斉にヨーイドンじゃなくて、2分おきとか、時間差でスタートするので、1台行くと次が来るまで少し時間が空くのです)。

なんだかんだで、有名どころのドライバーが走るのを見た後は、次の観戦スポットに移動するために、ニカラ林道を後にします。
この後は札幌に戻り、サービスパークでの各車のメンテナンスのシーンを見てみましょう、と言うことで高速を飛ばして札幌に舞い戻ります。

にしても、プリウス速えぇ。
4人乗って移動して、高速の合流とか、結構な勢いで加速するんですね。しかも腹の立つことに、こんな速度で加速しても、バッテリー減らないどころか状況によっては溜まる。
私さぁ。
高速でプリウスとかが結構いい速度で走ってると、あぁ、がんばってるのかなー、って思って少し遠慮してあげたりしてたんですよね。
無理してがんばられてたら悪いな、って思って。

でも、もうそれは無い。彼ら余裕だわ。あんな勢いで加速して、普通に巡航してバッテリーまで溜まる。技術ってすげーな。
確かに足回りは柔らかいかなーという気はしたけど、申し訳ないけどCR-Zならプリウスだなってぐらい、友達のCR-Zが普通に感じるぐらい感動した(笑
むしろプリウスのスポーツバージョン作ってくれたら結構いい気がするよ。ホントに。
これでEVモードにすると、電気自動車として超静かに走れるし。凄いよね、これ。

そんな感じで、月寒ドームのサービスパークに到着。結構混んでるねー。ドライバーのサインもらえるかなーと思ったけど、あんまり貰えなかったです。
有名所は人だかりが凄くてね。
まー仕方ない。

そんな感じで、ちょっと思ったより混んでるって話もあり、だったら少し早めに出て、リエゾン区間を走行するラリーマシンと併走したり抜かれたりしてみようか、みたいな話になり(これもラリーに詳しい知人の提案。私には思いつきもしない案だったので、感謝感謝)移動することに。

ここからは1人抜けて3人での移動になりました(1人は、もう1人、別の友達が来るらしくその人と合流して観戦して、夜にまた合流予定でした)。

時間調整しつつ走りながら、高速に乗ると、真後ろから迫ってきたのは、カーナンバー1番。世界選手権チャンピオンドライバー、セバスチャン・ローブの乗る車。

リエゾンは移動区間ですから、そんなに無茶なスピードで走りません(と言うか基本的に法規に従って走ってます)ので、一般車との併走が可能なんですね。
向こうは、ブレーキの調整をしているらしく、加速したり減速したりを繰り返している様子。
その減速のタイミングを見て、プリウスが、世界チャンピオンを抜き去ってみたりしましたし、また抜かれてみたり、と。

しかし、この非現実感が素晴らしい。こんな凄い競技車両が、堂々と日本の高速道路を走って、しかもプリウスと並走。
なんだこの不思議空間は(笑)。

更に言えばその車は世界選手権のチャンピオンの乗った車。
例えて言えばフェラーリのF1カーが高速道路を時速100kmで走ってるみたいな感じ?(まぁそもそもF1は公道走行出来るようには作られてないので、ちょっと例えが違うかしら。むしろグループCカー?)

超絶に不思議なこの空間を堪能し、そのまま今度はリフューエルのスポットに移動。ちょっと駐車出来るスペースを探すのに手間はかかりましたが、何とか間に合って、トップを走る車がリフューエル後にタイヤ交換しているシーンなんかも見ることが出来ました。

しかし、ラリードライバーは、有名人であっても、自力で交換するんですね。(このエリアでは作業は出来ても、ルール上、ドライバーとコドライバーだけが車に触れるらしく、メカニックとかは見て支持してるだけ)

シューマッハが自分の車のタイヤを交換するシーンは多分一生見ないでしょうけど、元F1チャンピオンのキミライコネン(2016年時点ではF1に復帰してますけどね)も軍手してタイヤ替えてました。
ちなみに、ライコネンは去年までフェラーリ乗ってバリバリにF1で走ってたので、今年はラリーカーでのパフォーマンスを期待していたのですけど、やはり一筋縄ではいかないようですね。そもそも求められている技術が異なっている気はしますし。
どっちが凄いとか言う論争をする気は無いんですけど、F1チャンピオンドライバーが直ぐに世界チャンピオン争いを出来るほど甘いものでは無いことは確かなようですね。
ただ、来年も走るみたいなので、活躍を期待したいところ。

リフューエルを離脱したのが16:15頃かしら。ここで再び札幌に舞い戻ってレンタカーを返して、今度は札幌ドームに向かいます。
レンタカーを返して、脚立をロッカーに預けて、地下鉄で札幌ドームに着くと、意外と席が狭い(汗
そう言えば地下鉄は車輪がタイヤなんですねー。走るとタイヤの摩擦する独特の音が聞けました。あと、何故かは知らんけど、網棚が無い。
最初凄く広くて違和感を感じたんですが、途中で「あ、網棚が無いのか」と。空間がもったいない気が。。。
まーそんな訳でドーム。

適当なポジションに座って、アルコールを調達し、観戦開始(電車で来られて、椅子に座ってアルコール飲みながら観戦できるドームは素敵)。
札幌ドームのスーパーSSは、フィールド上にくねくねのコースが作られていて、それが2本、ほぼ平行して走ってるんですね。
で、この2本は途中でクロスするんです。
つまり、例えばインサイドから走れば、1周してアウトサイドに入り、もう1周してゴール。
逆にアウトサイドからスタートすれば、1周してインサイドに入り、更にもう1周してゴール、と言う感じになるんですね。
巨大な立体交差の8の字を描いていると言えばいいのかしら。
なので、インサイドとアウトサイドの同時に2台並走みたいな事が出来るんですね。タイムトライアルではあるのですが、ちょっとレースチック。
ラインが重なることは無いので、いわゆるサーキットのような抜きつ抜かれつ的なことにはならないんですけどね。

でもってこいつも上位陣を堪能して、ざっくり19:30にドーム離脱。タクシーを拾って、今宵の晩餐の場所。キリンビール園に。

札幌に来て何故キリン?(笑
と言う話はありましたが、たまたま割り引き券を持ってる人がいたのもあり、またジンギスカンはサッポロビール園より美味いらしいとの話(肉の加工がどうのこうのとか言う話でしたか)で、じゃーここへ、と。
現地には我々3人と、サービスパークで別れた1人と、彼の友達が1人。合計5人が集まりました。みんな関東人(笑)。

生ラムやら味付けラムやらを色々堪能しつつビールをかっ喰らいます。
美味かったです。ええ。しかもそんなに高くなかったのさ。また行きたいねー。あ、今度は都内のお店があるんだっけかしら?

ただ、この日、一生の不覚を取った事に、夜、宿に戻って気づきました。

宿に戻ってテレビをつけたら、やってたんです。ニュースが。
なんか縦に長い物体が、火を噴きながら天空目掛けて登っていくの。

準天頂衛星の打ち上げでした。

実は事前に時間までチェックしてて、携帯電話でストリーミング放送の生中継が見えるようにURLとかブックマークしてセッティングしておいたんですよ。
で、夕飯食いながら見ようかと思ってたのね。どうせ外出して飲んでるのは想像出来てたから。

なのに、すっかり忘れてた・・・・orz
軽くへこんでました(汗

と言うわけで最後は軽くへこんだのですが、日中は世界一の車のいろんなシーンを満喫できて、最高に幸せな時間でした。
また翌日も満喫出来るはずなので、楽しみにして寝ました。

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